スライムゲーム(短編)
スライムゲーム
私は、残酷なゲームに参加をしたことがあったのでした。
スライムで出来上がった、キューブ型パックマンの様な見た目は可愛らしい。
しかし、このスライムに見つかってしまうと特定のターゲットとして、死ぬまで殺すための仕掛けをしてくる いわゆる〝 殺人兵器 〟
床は、石、それ以外は人間を溶かしてしまう威力を持つ、フッ化水素酸が溜まっていた。
私の他にも数人そこには、このゲームに参加している人達がいました。
その内の一人の男性、青柳 優作はスライムのターゲットにされた。
どういう訳か、彼は、床に滴る液体の中へと自ら飛び込んだ。
皮膚は溶けて、液体から痛々しい血が滲んでゆく。
やがて……彼は命をたった。
それは、あっという間のことでありました。
私は、ただただ……残酷な光景を目の当たりにして立ち尽くしていると、一人の青年、福田 快斗は言った。
「あのおっさん、全く売れない作家で……自殺願望者だって言う噂が何年も前から後をたたなかったんだ。どうやら、噂は本当だったようだね……」
それからも……次々とスライムにターゲットにされてしまい、残酷な形で死を遂げていった参加者達。
ろくに働く気もなく、誰もが呆れる生活を送っていたニートの矢島 涼平の場合……
スライムに見つかり、ターゲットにされてしまうと、石の上に立っていた彼の足首を液体の中から……腐った数十本の手が力強くつかみ始めたのである。
そのまま、彼は引きずり込まれて行き、溺れて皮膚が溶けて……やがて、血の海にそこは染まっていった。
青柳 優作よりも、更に残酷な形での死を、彼は遂げた。
私はなんとか最後の最後で、福田 快斗と幼馴染みの菊池 百花と生き延びた。
……そう思っていた。
出口へと続く、何かの骨で作り上げられた不気味なエレベーターへ着いた所。
丁度、そこに一人のスーツ姿の女性が現れる。彼女は、このゲームを作り上げた男、レオンの秘書、如月 ルキナだと名乗る。
そうして、彼女は、わたし達にエレベーターへ乗るように指導した。それで、百花はエレベーターへと足を運んでいった所であった……。
実は、このエレベーター……天井に罠が貼られてあったのである。それに、気付かず乗ってしまった彼女は……その罠にかかり残酷な形で死をとげた。
その内容だが、天井に貼られてあった物は、空気清浄機のようにクルクルと回る物であった。
それは、どういう仕組みかは不明だが、磁石のようなものでもあるのだろうか?
彼女は、磁石のようにその、空気清浄機のようなものに引っ付いてしまったのである。そうして、そのままクルクルと回り、それが、止まることは無かった。そのまま、彼女は、空気清浄機のようなものに肉が挟まって行き……遂に、肉は体からちぎりとれてゆき、彼女は死んだのである。
あまりに残酷な光景を私と、快斗は、目の当たりにし、秘書の如月 ルキナを睨んだ。
私は、その時……涙が滲んでおりました。
しかし、その女性……
再び、わたし達をエレベーターへと乗るように指導すると、今度は自分からエレベーターに乗った。
「さあ、行きましょう」
彼女は、幼馴染みが死んで血の色に染まったエレベーターから、わたし達にそう言った。
しかし、罠が起動するのは一度だけであったと分かった事から、わたし達はエレベーターに乗り込んだ。
すると、エレベーターは地上へと上がって行き……何処かの研究機関らしき場所へと着いた。
「さあ、ついて来て」
ルキナは、そう言ってエレベーターを降りると、研究機関の内部を歩き出す。
そこに、このゲームを作り上げた美しい男が秘書の前に現れた。
「ご苦労だった。後は、私とワニの兄弟達に任せてくれ」
「了解」
すると、その男、レオンはこちらに目を向けると言い出した。
「そのヘリに乗ってくれ。家まで送ろう」
「は、はい」
そうして、わたし達はすぐ目の前にあるヘリに目を向けた。
そこには、言葉を話すなんとも不思議な二匹のワニの姿があった。
「おい、リノそっちは起動したのか?」
「バッチリだよ」
彼らを不思議そうに見詰めていた私と快斗に気が付いた二人はこちらを見て言った。
「おいおい、心配すんなよ。オイラ達に任せれば直ぐにお家に着くからよう!」
「じゃあ、その前に教えて! どうして、こんなところであなた達、働いているの?」
見たこともない、奇妙な言葉を話すワニが目の前にいるのだ。疑問は百とある。
だけども、私がとっさに出た言葉はそれ、でした。
「別に、残酷なスライムゲームが好きなわけじゃないよ。俺達はこの研究機関で働かせるためにだけ、作り出された内密の生物さ。オイラ達……哀れな生き物だろう?」
先に、ヘリに乗っていてパソコンを開いて何やら作業をしているレオンはこの場で言い出した。
「君達、早く乗りたまえ」
そう言われ、私達はワニの兄弟を心配して見詰めながらも機内に入り、私と快斗は隣同士で席についた。
すると、ワニの兄弟の兄のヴァンは大きな声で言った。
「発射!」
すると、ヘリコプターは発射をし、動き始めた。
快斗は、前方にいるレオンを酷い、残酷で冷酷な男だと言わんばかりに睨みつけていた。
すると、その場でレオンは言う。
「本当に、リノとヴァンには可哀想な事をしてしまった。感情を取り除くべきであったな」
「お前っ、何言ってるのか分かってんのかよ! ……本当に、冷酷な男だな」
そう、興奮しながら快斗は言った。
「……そうまで思ってくれているのならば、次回のスライムゲーム2が出来上がり次第、参加して頂いて構わない。一度、ゲームに生き残った者は、希望しなければ出ないことを選ぶことが出来る。だがな、参加をして、再び生き残ることが出来れば、ワニの兄弟を開放してやっても構わない。まあ……私の気分しだいだがな」
「っ……」
快斗は、拳を正統な顔立ちが崩れるほどに強く、握り締めた。
「本当に、開放してくれますか?」
私は、訪ねた。
「次回、生き残れば、考えてやろう。……それから、今回の賞金は一人につき500億円だ。……受け取れ、愛」
そう言って、レオンは私の前に大金を差し出してきた。私は、ただ黙って受け取った。
ありがとうございます。……だなんて、到底言えるはずもなく。
すると今度は、青年に目を向けてレオンは言った。
「受け取れ、快斗よ」
快斗は、レオンをキッと睨みつけたまま、乱暴に黙って受け取った。
そうすると、再びレオンは元の席へと戻った。
少し時間が立つと彼は口を開いた。
「さあ、帰りなさい。君の家だ」
ふと、私は窓からのぞき込むと、確かに自宅のマンションのベランダであった。
私は、足を進めて、ベランダにつくと、ヘリの方を振り向いた。
しかし、それは……何もかもが夢でファンタジーの世界であったかのように、ヘリの姿は何処にも無く、跡形もなく消えていた。
それから、私は平凡な日常を再び過ごしたのでした。
あんな事はきっと、夢だったんだろう。私はやはり、そう思っていたのです。
しかし……いつも、自分の持っている金額を見ると相当なとんでもない金額に膨れあがっているのだ。やはり、嘘でも幻でも無かったのでしょう……。
スライムで出来上がった、キューブ型パックマンの様な見た目は可愛らしい。
しかし、このスライムに見つかってしまうと特定のターゲットとして、死ぬまで殺すための仕掛けをしてくる いわゆる〝 殺人兵器 〟
床は、石、それ以外は人間を溶かしてしまう威力を持つ、フッ化水素酸が溜まっていた。
私の他にも数人そこには、このゲームに参加している人達がいました。
その内の一人の男性、青柳 優作はスライムのターゲットにされた。
どういう訳か、彼は、床に滴る液体の中へと自ら飛び込んだ。
皮膚は溶けて、液体から痛々しい血が滲んでゆく。
やがて……彼は命をたった。
それは、あっという間のことでありました。
私は、ただただ……残酷な光景を目の当たりにして立ち尽くしていると、一人の青年、福田 快斗は言った。
「あのおっさん、全く売れない作家で……自殺願望者だって言う噂が何年も前から後をたたなかったんだ。どうやら、噂は本当だったようだね……」
それからも……次々とスライムにターゲットにされてしまい、残酷な形で死を遂げていった参加者達。
ろくに働く気もなく、誰もが呆れる生活を送っていたニートの矢島 涼平の場合……
スライムに見つかり、ターゲットにされてしまうと、石の上に立っていた彼の足首を液体の中から……腐った数十本の手が力強くつかみ始めたのである。
そのまま、彼は引きずり込まれて行き、溺れて皮膚が溶けて……やがて、血の海にそこは染まっていった。
青柳 優作よりも、更に残酷な形での死を、彼は遂げた。
私はなんとか最後の最後で、福田 快斗と幼馴染みの菊池 百花と生き延びた。
……そう思っていた。
出口へと続く、何かの骨で作り上げられた不気味なエレベーターへ着いた所。
丁度、そこに一人のスーツ姿の女性が現れる。彼女は、このゲームを作り上げた男、レオンの秘書、如月 ルキナだと名乗る。
そうして、彼女は、わたし達にエレベーターへ乗るように指導した。それで、百花はエレベーターへと足を運んでいった所であった……。
実は、このエレベーター……天井に罠が貼られてあったのである。それに、気付かず乗ってしまった彼女は……その罠にかかり残酷な形で死をとげた。
その内容だが、天井に貼られてあった物は、空気清浄機のようにクルクルと回る物であった。
それは、どういう仕組みかは不明だが、磁石のようなものでもあるのだろうか?
彼女は、磁石のようにその、空気清浄機のようなものに引っ付いてしまったのである。そうして、そのままクルクルと回り、それが、止まることは無かった。そのまま、彼女は、空気清浄機のようなものに肉が挟まって行き……遂に、肉は体からちぎりとれてゆき、彼女は死んだのである。
あまりに残酷な光景を私と、快斗は、目の当たりにし、秘書の如月 ルキナを睨んだ。
私は、その時……涙が滲んでおりました。
しかし、その女性……
再び、わたし達をエレベーターへと乗るように指導すると、今度は自分からエレベーターに乗った。
「さあ、行きましょう」
彼女は、幼馴染みが死んで血の色に染まったエレベーターから、わたし達にそう言った。
しかし、罠が起動するのは一度だけであったと分かった事から、わたし達はエレベーターに乗り込んだ。
すると、エレベーターは地上へと上がって行き……何処かの研究機関らしき場所へと着いた。
「さあ、ついて来て」
ルキナは、そう言ってエレベーターを降りると、研究機関の内部を歩き出す。
そこに、このゲームを作り上げた美しい男が秘書の前に現れた。
「ご苦労だった。後は、私とワニの兄弟達に任せてくれ」
「了解」
すると、その男、レオンはこちらに目を向けると言い出した。
「そのヘリに乗ってくれ。家まで送ろう」
「は、はい」
そうして、わたし達はすぐ目の前にあるヘリに目を向けた。
そこには、言葉を話すなんとも不思議な二匹のワニの姿があった。
「おい、リノそっちは起動したのか?」
「バッチリだよ」
彼らを不思議そうに見詰めていた私と快斗に気が付いた二人はこちらを見て言った。
「おいおい、心配すんなよ。オイラ達に任せれば直ぐにお家に着くからよう!」
「じゃあ、その前に教えて! どうして、こんなところであなた達、働いているの?」
見たこともない、奇妙な言葉を話すワニが目の前にいるのだ。疑問は百とある。
だけども、私がとっさに出た言葉はそれ、でした。
「別に、残酷なスライムゲームが好きなわけじゃないよ。俺達はこの研究機関で働かせるためにだけ、作り出された内密の生物さ。オイラ達……哀れな生き物だろう?」
先に、ヘリに乗っていてパソコンを開いて何やら作業をしているレオンはこの場で言い出した。
「君達、早く乗りたまえ」
そう言われ、私達はワニの兄弟を心配して見詰めながらも機内に入り、私と快斗は隣同士で席についた。
すると、ワニの兄弟の兄のヴァンは大きな声で言った。
「発射!」
すると、ヘリコプターは発射をし、動き始めた。
快斗は、前方にいるレオンを酷い、残酷で冷酷な男だと言わんばかりに睨みつけていた。
すると、その場でレオンは言う。
「本当に、リノとヴァンには可哀想な事をしてしまった。感情を取り除くべきであったな」
「お前っ、何言ってるのか分かってんのかよ! ……本当に、冷酷な男だな」
そう、興奮しながら快斗は言った。
「……そうまで思ってくれているのならば、次回のスライムゲーム2が出来上がり次第、参加して頂いて構わない。一度、ゲームに生き残った者は、希望しなければ出ないことを選ぶことが出来る。だがな、参加をして、再び生き残ることが出来れば、ワニの兄弟を開放してやっても構わない。まあ……私の気分しだいだがな」
「っ……」
快斗は、拳を正統な顔立ちが崩れるほどに強く、握り締めた。
「本当に、開放してくれますか?」
私は、訪ねた。
「次回、生き残れば、考えてやろう。……それから、今回の賞金は一人につき500億円だ。……受け取れ、愛」
そう言って、レオンは私の前に大金を差し出してきた。私は、ただ黙って受け取った。
ありがとうございます。……だなんて、到底言えるはずもなく。
すると今度は、青年に目を向けてレオンは言った。
「受け取れ、快斗よ」
快斗は、レオンをキッと睨みつけたまま、乱暴に黙って受け取った。
そうすると、再びレオンは元の席へと戻った。
少し時間が立つと彼は口を開いた。
「さあ、帰りなさい。君の家だ」
ふと、私は窓からのぞき込むと、確かに自宅のマンションのベランダであった。
私は、足を進めて、ベランダにつくと、ヘリの方を振り向いた。
しかし、それは……何もかもが夢でファンタジーの世界であったかのように、ヘリの姿は何処にも無く、跡形もなく消えていた。
それから、私は平凡な日常を再び過ごしたのでした。
あんな事はきっと、夢だったんだろう。私はやはり、そう思っていたのです。
しかし……いつも、自分の持っている金額を見ると相当なとんでもない金額に膨れあがっているのだ。やはり、嘘でも幻でも無かったのでしょう……。