キミに言いたかった言葉
「杏奈……」
「ん?」
「まだ…橘くんのことで立ち止まってるの?」
「…そんなつもりはないんだけどね」
「杏奈が元気に過ごしてるのはきっと橘くんも嬉しいと思う…でも…」
トモちゃんとは中学の時から一緒
だから柊とのことも知ってる
そして私が…
「でも、恋とか恋愛は…きっともう出来ないと思うんだ」
「杏奈…」
私が恋出来ないってことも知ってる
「だって、興味も持てないのに恋なんて出来るわけないじゃん」
私は笑って言った
するとトモちゃんも、ふっと笑った
「わかんないよ、春は出会いの季節だし、興味持てる人も現れたり…」
「そうだといいけど。あ、そろそろ行くね」
「はーい、後で教えてよー今田先輩との件」
「はいはい」
そう言って、私は教室を出て裏庭へと向かった