キミに言いたかった言葉

「そう…ごめんなさいね、ちょっと用があって席を外してたわ」


先生は私に近づいて来て訊いた


「体調良くなったかしら?」


「少し、良くなった気がします」


「そう、良かったわ」



…あ!

もしかして…先生ならさっきのカレの名前知ってるんじゃ…


…でも常連とかじゃなかったら覚えられてないかもだけど…


「先生」


「ん?どうかした?」


先生は、持っていた書類を机に置いて椅子に座った


「あの…黒髪の1年生の男子で…よくここに来る人いますか?」


てか、そもそもこれじゃあ全然わかんないよね

これといった特徴も
柊に似てるってことくらいだし…でも先生知らない訳だし



「ん〜そうねぇ…女子なら1人、体の弱い子がよく来るけど…男子はいないわねぇ」


そうか…そうだよね
無謀な話だわ


「そ、そうですか…てか校舎違いますもんね」


「そうねぇ、3年生なら同じ校舎だからよく遊びに来る子はいるけど」



そうだよね…
ちょっとでも期待した自分がアホらしいな…

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