キミに言いたかった言葉
「さ、皐月くんて…そうゆうのよく行くの?」
「うん、合コンてゆーか、まぁ遊んでるだけだよ」
…遊んでる?
「あ、遊ぶって…何してるの?」
私がそう訊くと皐月くんは近づいて来て、私と目線を同じにするよう少しかがんだ
皐月くんの表情は影がかっていて、はっきりとはしないけど、微笑っていて
まるでその瞳に吸い込まれる様な気がした
「一緒に来る?」
…本当にあの皐月くん?
「なーんてね」
そう言って笑った皐月くんは私から離れて、友達の方へ行った
そしてまた振り返って私を見た
「じゃあね、杏奈ちゃん」
私は、ただポカーンとその場に立ち尽くしたまま
皐月くんは友達と共に、その場から去って行った