キミに言いたかった言葉
----翌日
私はトモちゃんに昨日あったことを話した
「えー!橘くんの弟?!…そっか、弟いたんだ〜」
「…うん」
「でも合コンとか、今時珍しくもないんじゃない?」
「そ、そうかもしれないけど…あのクールで冷静で無口で無表情だった皐月くんが……人ってそんな変わっちゃうものなの?」
私はただただモヤモヤしていた
だって…あの時の皐月くんの面影はあまり残ってないんだもの…
「杏奈」
トモちゃんは、ふぅっと一息ついて
真っ直ぐな瞳で私を見た
「弟くんに何があったかはわからないけど、変わったからといって、彼を否定してはいけないわよ」
真剣な眼差しのトモちゃん
確かにトモちゃんの言う通り
どんな人になっていたとしても、過去にとらわれて現在を否定するようでは駄目だ
ただ…
まだそれがはっきりしたわけではない
「私、今日確かめて来る」
「杏奈」
「何?トモちゃん」
「彼が変わっていても変わってなくても、受け入れる準備はしておきなよ」
トモちゃんは心配しているかのような表情で、私の肩に手をポンっと置いた
私は微笑って頷いた