キミに言いたかった言葉




----放課後


皐月くんのクラスがわからなかったので下駄箱で待ち伏せすることにした


…というか、一つ一つクラスまわるのは何だか恥ずかしくて…という私の勝手な都合


てか、下駄箱で待ってるのも結局目立つ気が…


「あれ、杏奈ちゃん。どうしたの?」


皐月くんだった

皐月くんは不思議そうな顔をしている


でも私はなかなか単刀直入に訊けなかった

「あ、あのね、訊きたいことがあるんだけど…」

「ん?」

皐月くんは微笑って首を傾げる


私がはっきり訊き出せないでいると…


「橘〜今日暇〜?」


昨日、皐月くんに話しかけていた女子とはまた違う声
…ってことは、また別の女子か


「うん、暇」


「今日家誰もいないんだけど来ない?」


「いいよ」


「えっ?!!」


その会話を聞いて、驚きが咄嗟に口に出てしまった


明るい色の茶髪をした女子と皐月くんが私の方を一斉に見た


「何、橘彼女出来たの?」


女子は慌てたように皐月くんに訊いた

「違うよ〜幼馴染」


「ああ、なんだ。お取り込み中なら玄関外で待ってるからお早めにね」


その女子はホッとしたようだった


「ん、わかった」


その女子は去って行き、皐月くんはまた私の方を見た
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