キミに言いたかった言葉


今、皐月くんはどんな表情をしてるのかな?

どのくらいの距離なのかな?

何を思ってるのかな?


目を閉じたら、色んなことが分からなくて少し不安になった


しかもキスなんて初めてだし…
あれ、もしかしてこれって…ファーストキスになるのかな?

でも皐月くんが相手なら、別にいい


目でとらえていた情報が皆無な中、
信じられるのは肩から伝わってくる皐月くんの手の温もり







……



………あれ?


まだ…なのかな?

キスをする前ってこんなに時間をかけるものなのかな?


さすがに不安になって片目だけ開いた


すると皐月くんは横を向いて顔を伏せていた


思わず声が出た


「…皐月くん?」


皐月くんはうつむいたまま


「…ごめん」


「…何で謝るの?」


「ごめん……今日はもう帰って」


「皐月くん…あの…私……」


「ごめん、今日は帰って。お願い……頼むから…」


いつもより低く響く皐月くんの声

これ以上、私がここにいても皐月くんの気を悪くするだけかもしれない


私は帰ることにした


「…わかった…おやすみなさい」


「……おやすみ」


私はそのまま皐月くんの部屋を出た


そして自分の部屋に戻った



…皐月くんどうしちゃったのかな

私、もしかして何かしでかしちゃったのかな…?



…あっ!!
明日の出掛けるってゆうの、どうなるのかな…

中止なのかな?
そういえば連絡先も知らないし…
でも今から戻って訊けないし…


でもまだわからないし、準備しておこう


不安を抱えつつ、私は明日の準備をして、ベッドにもぐりこんだ

どこ行くかも決めとかなきゃ



どこ行こう……かな………




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