星空エデン
翌日。
また、同じ景色…
もうこんな景色見飽きたよ…
だれか連れ去ったりとかしてくれないかなぁ。
すると、雛ちゃんが私の近くにやってきて…
「葉菜ちゃん、お出かけするのー!」
えっ
「え!お出かけなんてしたら看護師さんに怒られちゃうよ??」
…でも
ちょっとくらい抜け出しても怒られないかなぁ?
「おこられちゃうの…?」
雛ちゃんがしょんぼりしてしまった。
「でも、多分ちょっとくらい平気だよ!
行こっか!雛ちゃん」
雛ちゃんが笑顔をパアッと取り戻し、私達は抜け出した。
──屋上へやってきた。
抜け出すっていっても、病院内からは絶対に無理だよね…
しかも、パジャマのままじゃどこにも行けないし…
でも、なんだかんだで雛ちゃんは楽しそうだ
屋上にはたくさんのシーツが干してあって、しかも今日はとても天気がいい。
今は春の季節。
暖かいひだまりに包まれたシーツが風に吹かれている。
…屋上っていっても、することないよね。
屋上のベンチへと腰をかけた。
「葉菜ちゃん、遊ぼ?」
遊ぶ…
「んー、何して遊ぶ??」
雛ちゃんは笑顔で
「鬼ごっこ!」
と言った。
鬼ごっこ!?
私は心臓病を患っている。
走りすぎて…心臓に負担かからないかなぁ
心配…
でも、雛ちゃんのために遊んであげなきゃだもんね。
よしっ
「わかった。私が鬼やるね」
───。
「いーち、にーい、さーん……きゅーう、じゅー!」
さて…雛ちゃんはどこかな?