星空エデン
屋上といっても、かなり広い。
それに、シーツがたくさん干してあるから追いかけるよりも見つけなきゃいけない。
「んー、どこかな~?」
ガチャ
えっ。
(まずい、見つかったら怒られる!)
シーツに隠れた。
どくん、どくん。
心臓が高鳴って…
(見つかりませんように…!!)
「青木さん?こんなところで何やってんの?」
え?
シーツから身をだすと
そこにいたのは流星くんだった。
「流星くん─? どうしてここに?」
なんでいるの?
「それはこっちのセリフ。
病室に入ったら
誰もいないから、どこ行ったのかと思って
そしたら屋上の方から雛っぽい笑い声が聞こえたら来てみたんだけど」
なるほど
探してくれたわけだ。
「─で?青木さんは何してたの?」
「えっと、雛ちゃんと私でつまんないから抜け出そうとしたんだけど…
さすがに病院は出れらないかと思ったので…屋上へ」
「そうなんだ。で、雛はどこ??」
「今さっき鬼ごっこをすることになって…」
「鬼ごっこ?」
「うん…」
「でも…そろそろ点滴なんじゃないの?」
「あっ」
点滴の時間のことをすっかり忘れてた。
早く戻らなきゃ。
こーなったら急いで雛ちゃんを見つけないと!
「雛ちゃーん!病室戻らないと怒られちゃうよー!」
返事がない…
(そりゃそうだよね…
鬼ごっこしてるんだもん。)
「雛ー、出てこないと兄ちゃん怒るぞー」
すると、流星くんも声をかけてくれた。
「お兄ちゃん!?怒っちゃうの!?」
今にも泣きそうな顔をしてシーツから雛ちゃんがでてきた。
(あ、でてきた。)
雛ちゃんは流星くんのところへ駆け寄って抱きついた。
「ひな…いい子にするから、怒らないでぇ…」
泣きながらすりつく雛ちゃん。
(かわいいなぁ…)
私に妹がいたらこんな感じかなぁ…