忍び寄るモノ

こんな時に喜ぶのはおかしいかもしれないけど、岡本君の正体──って言っていいのかな──を知るにはやっぱりもっと岡本君と距離を縮めないと。

私はすぐに鞄からスマホを取り出してプロフィール画面を表示。それから赤外線があるところを岡本君のケータイのほうへと向けた。

私の反応が素早かったからか岡本君が目をパチパチさせてぷっと吹き出して肩を揺らす。

「いい反応だな。──よし、完了。遠藤さんもよかったら交換しない?」

「あー、ごめんね。今日スマホ家に置いてきちゃったから」

「それなら私から奈々ちゃんのスマホにメールで送っておくね」

「うん。お願い」

私はメール作成を開いて岡本君のアドレスをアドレス帳から引用して本文に入れる。

それから奈々ちゃんのアドレスも同じように引用して送信先に入れて送信、と。

すぐに送信完了の文字が画面に出て私は鞄にスマホを戻した。

「それじゃあ帰るか」と言って歩き出した岡本君に、私と奈々ちゃんはそろって「うん」と返して後ろをついていった。

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