忍び寄るモノ

三階に資料室があるからもしかしたらそこに卒業生の写真とか文集とかが保存されているかもしれない。

先生の許可があれば入れると思うけど今の状況で入れてもらえるかは微妙だなぁ……。

とりあえず後で高橋先生に聞いてみよう──。


***


朝のホームルームが終わり、教室を出てすぐのところで高橋先生を呼び止めて資料室に行きたいことを伝えてみた。

「資料室に行きたい理由は分かりましたが一人で行くことは許可できません」

「やっぱりダメですか?」

「ええ。今起きている事件に関わるかもしれないことならなおさら一人での行動は危険です」

奈々ちゃんやひまわりちゃんならお願いしたら一緒に来てくれるかもしれない。

だけど何かあった時に奈々ちゃん達に何かあったら嫌だ。

眉を寄せて渋い顔をしている先生をチラチラ見て反応をうかがっても先生は首を縦に動かしてくれない。

諦めたほうがいいのかな──いやいや諦めたらダメだ!

どうにか資料室に行く方法を考えないと。

「先生」

どうやって先生を説得しようか考えていたら後ろから声が聞こえて私は勢いよく振り返った。

すると後ろには教室を出てドアを閉めた岡本君がいて、岡本君は私の隣まで歩いてくる。

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