忍び寄るモノ

二人でアルバムを持ってページをめくっていく。

すると後ろのほうのページに生徒が一人ずつ名前つきでのっている場所にたどり着いた。

柴田良介さんの名前を探して写真を見つけた瞬間、私は一瞬息が詰まってしまう。

「折笠さん……?」

「岡本君………、この人の目って荒木先輩に似てない……?」

私が震える指で柴田さんの写真を指すと 岡本君がハッと息をのむ。

「……たしかに似てるな。まさか二十年以上前に事件にあったのってこの人……?」

「名前と年が合ってるから間違いないと思う」

「そんな……。それじゃあ荒木先輩と響也はこの人の幽霊に殺されたって言うのか……!?」

声を絞り出すように言った岡本君に私は「まだ分からない」としか返せない。

荒木先輩と柴田さんの似たところは見つかったけど安田君は容姿が似ているわけじゃないみたい。

それなら他に似ているところがあるのかも。

文集もないかと近くを探してみるけどあるのは年度ごとのアルバムばかりで文集はないみたいだった。

何か他にないの……!?

柴田さんの写真がのっているアルバムをペラペラめくっていると一つのページに手がかりになりそうな写真を見つけた。

「……柴田さん達はタイムカプセルを埋めてる。──どこかに掘り出した物があるかもしれない……!」

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