忍び寄るモノ

「それじゃああなたは心霊スポットなどによく行くのね?」

「はい! 情報を知ると確かめに行かないと気がすまないんです」

頼成さんは私がオカルト話をすると最初はビックリしてたけどうんうんと話を聞いてくれるいい人だった。

「わたしも個人的には興味あるけど警察官の立場では科学的な根拠がないと証拠にはならないから難しいわ。……ところで遅い時間に一人であちこち行っていたりしない?」

「それは……」

絶対一人で行かないとは言い切れなくて私は言葉がつまる。

すると笑顔だった頼成さんが怒ったような顔に変わって私はギクリとした。

「事件がなくても遅い時間に一人で行くなんて危ないからしないこと! これからもし見つけたら補導するからね」

「きっ、気をつけます……」

頼成さんはいい人だと思うけどやっぱり警察の人なんだと思った。


***


家まで送ってもらって頼成さんとはお礼を言って別れた。

玄関に入るとちょうどエコバックを持って靴をはこうとしているお母さんがいて、「おかえりなさい」と笑ってくれる。

「ただいま。今から買い物?」

「ええ。買い忘れがあったのを思い出したから行ってこようと思ってね」

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