男なんていらないッ
住む世界
新宿という街が好きだ。


特に夜。


ギラギラしたネオンと、そこに群がる人、人、人・・・。

目的もなく歩いている人、お店を探している人、
急ぎ足で駅を目指す人、肩がぶつかっても決して謝らない。
それどころか、ニラミをきかせてくる。


カモがいないか、物色する男女。


世の中の人間の奥底に眠る本能というか、汚い部分がすべて詰まっているような街。


そこを歩きながら、美香は自分もこの波の中で勝ち抜こうとしている一匹の動物であるという実感を得る。


< 6 / 8 >

この作品をシェア

pagetop