男なんていらないッ
「おう、美香。場所、わかった?」
店員さんに通されたのは、お店の一番奥の個室だった。
戸を開けると、康介が開口一番に言った。
美香も何度か来たことがある、こじんまりとしていて割と高級なしゃぶしゃぶのお店だった。
「うん。前に何回か来たことあったから」
康介の隣には、先日の女の子が二人。
二人とも、今流行のゆるいパーマをかけている。
笑うと八重歯がかわいいのが、市橋かえで。
少しぽっちゃりしているけど、肌がとてもキレイな松本陽子。
今回また一緒に飲むということで、やっと名前を聞くことができた。
二人とも、くったくのない顔で笑うととてもかわいい。
25歳のOLさんってのは、なんというか、男性にとっては、スキがあっていいのかもしれない。
「美香ちゃんって、本当にキレイだよね」
松本陽子が、向かいに座った美香をまじまじと見ながら言った。
「ん?そお?」