懺悔部屋～脱出法は仲間を傷つけ食べること～

嵐がそう言い、小さく息を吐きだした。


さすがの嵐も疲れて来ているようだ。


そしてまた部屋の中に鉄の匂いと、人間の目玉が焼ける異臭が立ち込め始める。


春姫はすぐに自分の鼻を両手で塞いだ。


しかし百合は彗をサポートしているため、懸命にその匂いを我慢している。


「百合……大丈夫か？」


俺は後ろから百合に話しかけた。


百合はハッとしたように振り向き、青い顔をしたまま「大丈夫だよ」と、答えた。


到底大丈夫そうには見えないが、今は我慢するしかない。


目玉焼きはあっという間に出来上がり、再び更に乗せられ良の前に差し出された。


「彗、ここに座って。これできっとここから出られるから。大丈夫だからね？」


百合は彗を椅子に座らせ、懸命に励ましている。


「うん……ありがとう」