懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
激しい痛みを耐え抜いた彗は、椅子に深く腰を下ろした。


血はまだ流れているだろうか?


目玉を2つもくりぬいたんだ。


そう簡単に止血されるとは思えない。


それに、この状況下で気絶せずにいる彗の精神力に、俺は驚かされていた。


いつも大人しく、百合や春姫の後ろを付いて回っているような女の子が、ここまで強いとは思っていなかった。


「良、はやく」


春姫が良を急かす。


「わ……わかってるよ!」


良は涙目になりながら、彗の目玉を手で掴んで口の中に入れた。


そしてすぐに蛇口をひねり、水を飲みこむ。


食べると言うより、無理矢理飲みこんでいる状態だ。


良は何度もえずきながら、どうにか目玉を飲みこんだ。


「くそっ! 食べちゃったじゃないか! ちくしょう!」


良は拳で床をガンガン叩きながら叫んだ。
< 103 / 281 >

この作品をシェア

pagetop