懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
さっき散々部屋の中を確認したけれど、その時のもなにも見つけることができなかった。


だけど、いるんだ。


俺たちの行動を把握し、俺たちに指示を出している人間が。


確かに存在しているんだ。


俺は神経を尖らせて次の指示を待った。


《所百合がチキンライスを作り角川春姫が食べなさい》


単調な声でそう言うと、声はプツッと途切れた。


「あたしが……食べるの……?」


春姫が今にも泣きそうな顔をして百合を見ている。


百合も顔色が悪く、下唇を噛みしめている。


「チキンライスって……冷蔵庫の中にチキンは入っていたけれど……」


良がそう言い、ソワソワと周囲を見回す。


「言いたい事はわかる」


俺は頷いた。
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