懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
「どこにもイルカなんていねぇじゃねぇかよ」


嵐が愚痴る。


「本当だね。ねぇ、なんでなにもない場所で止まってるの?」


「このあたりぐるっと見て回ったら引き返すんでしょう? あたしそろそろお腹へってきた」


春姫と彗が少し表情を曇らせる。


「どうしたんだろうな」


悠が首を傾げて呟き、運転手に話かける。


すると突然「嘘だろ!?」という悠の大きな声が聞こえてきてみんなの視線が向かう。


「悠があんな大きな声をするなんて、珍しいな」


「やっぱり、なにかあったんだよ」


俺は不安がる百合の手を握りしめたまま、一緒に立ちあがった。


「悠、どうかしたのか?」
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