懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
「たとえば……チキンをもっと大きなくくりで変換してみるとか、どうかな?」


今まで黙っていた良が口を開いた。


「大きなくくり?」


嵐が聞き返す。


「そう。チキンは鳥。鳥を英語にするとバード。最初のチキンからは全く違う単語になる」


「バード……」


俺は良の言葉を繰り返した。


なにか、最近聞いたことのあるような言葉だった。


一体どこで耳にしたんだっけ?


「あとさ、みんな気が付いていると思うけれど、やっぱりあの手錠は使わなきゃいけないものなんだと思うんだ」


良が、テレビ台の上にある手錠を指さしてそう言った。


「さっきの部屋では異常な量のスプーン。今度の部屋では手錠……。どちらも、普通のキッチンではありえないものだよ」


「俺も、そう思う」


俺は良の意見に賛成した。
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