懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
それがわかっているから、誰も動く事ができなかったんだ。


だけど、俺は頭の中で記憶を巡らせていた。


さっき良が言った『バード』という言葉。


あれが、まるで魚の小骨のように喉に引っかかっている。


俺はあの言葉を別の場所で、別の人間から聞いたことがある。


それはいつ、誰から聞いたことだったか……。


眉間にシワを寄せ、テーブルを睨み付ける。


バード……B、I、R、D……。


Bird?


ハッとして顔を上げる。


視線の先にはしかめっ面をしている嵐。
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