懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
良は慌てて両手で自分の口を押さえて、周囲を見回す。


他のメンバーたちは気が付いていないようで、再び俺は口を開いた。


「嵐の着ている服は『Bird』という名前のメーカーなんだ。チキンは鳥。鳥を英語にするとBirdになる」


「あっ……」


良は嵐の服をまじまじと見つめる。


「そしてあの手錠だ。あの手錠に拘束する人物、それは嵐なんじゃないかと思うんだ」


「そうなんだ……」


良は落着かないように手をこすり合わせ、嵐をジッと見ている。


「でも、嵐をあそこに拘束するのは一苦労だ。良、手伝ってくれ」


「い……いいけど、でも、どうやって?」


「彗を見る限り、残されている時間は少ない。強行突破で強引に拘束するしかないと思う」


「ほ、本気?」


良の頬に汗が伝って流れる。
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