懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
力自慢の嵐を強引に拘束するなんて、無理だと思っているのだろう。


だけど、体格のいい良と力を合わせればできるハズだった。


「たのむ。一か八か、やってみるしかないんだ」


俺は良をジッと見つめる。


良はソワソワと視線をおそがせていたが、やがて諦めたように小さく頷いた。


よし!


2人なら嵐が相手でもきっとなんとかなる!


俺は嵐を見た。


嵐はまだ彗の様子を伺っていて完全に隙ができている。


「いくぞ、良」


「う、うん」


頷くと同時に、俺と良は一気に嵐の前まで移動していた。


「あ? なんだ?」


キョトンとした表情で俺たちを見上げる嵐。
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