懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
けれどその目は力強く、そして百合は「やる」と、うなづいた。


百合はチラリと嵐の顔を見て、そしてすぐに視線を包丁へと戻した。


先ほどと同じように両手で包丁を持ち、一気に引き抜く。


「ぐあっ!!」


嵐の体がびくんっと跳ねあがり、傷痕から大量の血が流れ始める。


線だった傷はあっという間に血に染まり、見えなくなる。


百合はその血だまりへと手を伸ばし、傷口を探った。


血と肉を探るネチョネチョという音が部屋に響く。


「あ、あった、ここ……」


百合が小さく呟き、血だまりの中へと包丁を差し入れた。


刃はなんの抵抗もなくそこへ突き刺さったが、嵐はカタカタと痙攣を始めた。


百合は再び両手で包丁を持ち、その刃を横へ向けて嵐の肉を切り裂いた。


ズブズブと嵐の肉に食い込んで移動している包丁。


血はとめどなく溢れ、百合の手を真っ赤に染めていく。


それでも百合は手を止めなかった。
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