懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
動脈が流れている辺りに指を添えてみる。


しかし、そこからはなんの脈も伝わってこなかった。


「彗!! ねぇ彗!! 冗談でしょ!? あたしの事からかっているんでしょう!?」


春姫が悲鳴に近い声で彗に話しかける。


「やめろ春姫」


「だって!!」


「彗はもう死んでる」


「は……、なに、言ってるのよ……」


「脈がないんだ」


「そんなわけないでしょう!?」


春姫はそう言い、彗の手首を乱暴に掴んだ。


「ほら、彗の手はまだ温かいじゃない」


そう言ってほほ笑んだのもつかの間、春姫はすぐに険しい表情になった。


「なんで……なんで!?」


どこを触っても彗の脈が感じ取れないのだ。


春姫は彗の首に手を当て、そして力なくその場に座り込んでしまった。
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