懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
運転手の言葉に俺の中にも暗雲が立ち込める。


だけど、これ以上みんなを不安がらせてはいけない。


嵐の態度のせいで女子たちの不安が膨らんできている。


「とりあえず手漕ぎで近くの島へ向かおう。天気が怪しい」


そう言われ、俺は空を見上げた。


「本当だ」


いつの間にか頭上には黒い雲が現れていて、今にも雨を降らせそうだ。


俺はすぐに悠からオールを2本とも受け取った。


そして一本を半ば強引に良にもたせる。


良は一瞬嫌そうな顔をしたけれど、それを素直にうけとった。


喧嘩をする奴らにやらせていては時間がかかる。


俺と良が頑張るしかない。


「島って、どこですか?」


周囲には小さな島が点在していて、目的地がわからない。


「そうだな。ここから一番近いあの島に行ってみよう。船を止められる場所もありそうだ」


指さされた方向へ視線をやると少し大きな島が見える。


島の上には四角い白い建物も見えて来て、雨が降ってきてもしのげそうだ。
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