懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
俺はそれをスプーンですくった。


「拓夢……」


百合が不安そうな表情を浮かべて俺を見ている。


「大丈夫だって。食べたらすぐに吐き出せばいい」


「そうかもしれないけれど……」


「それに、これだけ粉々になっていれば体内を傷つけることもないさ」


俺は自分に言い聞かせるように早口でそう言った。


そしてスプーンを口へと近づける。


心臓は破裂するほどドキドキしていて、不安と恐怖で悲鳴を上げてしまいそうだった。


だけど、俺はその手を止めなかった。


できるだけ早く終わらせてしまいたい。


その思いで、スプーンには零れ落ちるほど破片をすくっている。


俺は大きく口を開け、それを招き入れた……。
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