懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
疑問ばかりが浮かんで解決の糸口は見つからず、時間は刻々と過ぎていく。


良は部屋の中を這いつくばるように移動し、何かヒントがないかを探している。


「早くしなきゃ、あたしたち全員死んじゃうんだよね……」


春姫が呟くように言う。


俺はその言葉に思わず春姫を睨みつけていた。


そんな事はわかっている。


これが危機的状況だという事も理解している。


でも、どうしろっていうんだ?


やるべき事がわかっていれば動けるけれど、全くわからないのにどうしろと……。


イライラとした気分になった時、不意にテレビのスイッチが入った。


突然聞こえて来た幼い女の子たちの笑い声に、全員の視線がテレビへと移る。


テレビの画面には小学校中学年くらいの子供たちが、学校のプールで遊んでいる姿が映し出されていた。
< 170 / 281 >

この作品をシェア

pagetop