懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
「うるさい! ぼ、僕は小さな子しか愛せない病気なんだ!!」


「病気だからって盗撮が許されると思ってんのかよ!」


俺は2発3発を立て続けに良を殴った。


さすがの良も尻もちをつき、口の端から血を流し始めた。


それでも俺の気は晴れなかった。


良の上に馬乗りになり、更に拳を振り上げる。


「だって……一緒にいても平気だった月奈(ルナ)はいなくなったから……」


呟くように言った良の言葉に、俺は降りおろす寸前だった拳を止めた。


「月奈……?」


「月奈……月奈ごめん……」


突然ボロボロと涙をこぼし始めた良は、俺を押しのけてテレビへと走った。


誰も、止める暇なんてなかった。


良はDVDを取り出しそれを手で真っ二つに折ったのだ。
< 174 / 281 >

この作品をシェア

pagetop