懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
死ぬのをただ見ていることしかできなかった。


俺は両手で頭をかかえ「うあぁぁぁ!!!」と、叫び声を上げた。


気が狂ってしまいそうだった。


爪を立てて頭をかきむしり、なんとか自分を保とうとする。


目を閉じても3人の死に顔が浮かんできて、離れてくれない。


「拓夢!!」


百合がかけよってきて俺の体を抱きしめてくれた。


可愛いポニーテールが揺れて、ふわりといい香りが鼻をくすぐる。


「百合……」


俺は涙目で百合を見た。


滲む視界の中、しっかりと自分を保っている百合の姿が見える。


「拓夢のせいじゃないから。どうすることもできなかったんだから」


百合は俺の耳元でそう言い、何度も俺の背中をさすってくれた。
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