懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
そのおかげで徐々に気持ちは落ち着きはじめ、涙は乾いていった。


「……ごめん、百合。ありがとう」


百合から身を離してそう言うと、百合はホッとしたような笑顔を浮かべた。


百合の目にも涙が浮かんでいる。


「これで3人目よ……」


春姫がそう言い、俺と百合はそちらへ視線をやった。


春姫はその場に立ち尽くし、疲れ切った顔をしている。


「あたしたち、全員この建物の中で死ぬのかな」


「春姫……」


俺は苦い顔をして春姫を見た。


春姫の意見を否定したい。


けれど、そう簡単に否定できるものではなかった。


「それよりも、良の言った言葉の意味を考えない?」


その場の雰囲気を変えるように、百合が言った。


「良の言った言葉?」


嵐が聞き返す。
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