懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
俺はそんな嵐にまたがり、更に拳を振り上げた。


2度、3度と、手加減をしながら嵐の顔を殴り付ける。


殴るたびに嵐は身をのけぞるようにして、痛みにうめいた。


殴る痛みだけじゃない。


腹部の痛みがほとんどだろう。


「言えよ嵐。2月22日になにがあった? 《イチゴのショートケーキ》って、何の事だよ」


俺は嵐の方を掴んで床に押し付け、そう聞いた。


「……しらねぇって言ってんだろ……」


その言葉に俺はグッと奥歯を噛みしめた。


このままでは全員がここで死んでしまう。


嵐には悪いが、それだけはさせない。


俺は再び拳を振り上げた。


その時だった。


百合が冷蔵庫へと近づいたのだ。


「ねぇ、開けていいよね?」


「あ……あぁ」


そうだ。


嵐は必死で冷蔵庫を開けさせないようにしていた。
< 207 / 281 >

この作品をシェア

pagetop