懺悔部屋～脱出法は仲間を傷つけ食べること～

「ったく、つまんねぇな」


色んな店をのぞいて見ながら、つい愚痴る。


時間ばかりあっても友達は一緒に行動できないし、金もない。


こんな事ならバイトくらいして金を貯めておけばよかったかもしれない。


そんな事を思いながら歩いていると、一軒の服屋が目に入った。


小さいショップだけれどオシャレで、メンズ専用の店だ。


「久しぶりに覗いてみるか」


俺はそう呟き、ショップへと向かった。


店の入り口には《Bird》という看板がぶら下げられている。


この店で扱っているブランド名だ。


ガラス戸を開けると鈴の音が店内に響く。


「おぉ、嵐君。いらっしゃい！」


カウンターの奥からまだ若い店長が顔を出して、俺に向かって手をあげて見せた。


「どうも。新作ある？」


「あぁ、今年の新作ならオススメがあるよ」