懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
「あれ、今日は買わないの?」


高橋さんにそう聞かれ、俺は曖昧に微笑んで頭をかいた。


「また今度きます」


そう言って店を出たのだ。


再び1人で当てもなく歩きはじめたけれど、俺の脳裏にはさっきみた新作のTシャツがちらついていた。


仕事を始めればあれくらいのTシャツ買えるだろうが、それまで待っているのがもどかしかった。


今にすぐにでも手に入れたい。


徐々にそんな気持ちが膨らんでくる。


そんな中、俺は1つのゲームセンターへと足を運んだ。


金がなくても時間をつぶせる場所といえば、ここくらいだったからだ。


俺はうるさい店内を奥へと進んだ。


手前がクレーンゲームで、奥にシューティングゲームなどが置いてある。


特別ゲームが好きというワケではない俺は、沢山並んでいるゲーム台の前で立ち止まった。
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