懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
警察だと?


ふざけるな!!


俺は心の中で怒鳴り、奥歯をギリギリと噛みしめた。


警察に掴まってしまえば親戚でも俺の事を見離すかもしれない。


そうなれば俺はこの後どうなるんだ?


3年間遊んで暮らしてきて俺が、進学も就職もできるワケがない!


「離せよ、くそ野郎!」


俺はそう怒鳴り、男の手を振り払った。


それだけで男はその場に尻もちをついてしまった。


こいつ、走るのは早いけれど力は弱いのか?


だとすれば、俺が有利だ。


思わずニヤリと笑う。


俺は男が起き上がるよりも先に、男の上に馬乗りになった。


「何をするんだ!」


男は俺の下で手足をバタバタと動かして抵抗する。


だけど、そんなのは俺にとってハエが暴れている程度のものだった。
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