懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
くそっ!


俺は一歩前へ踏み出す。


月奈は一歩後ろへ下がる。


「なぁ、言わねぇよな?」


「だって……悪いのはあんたでしょ……」


俺が一歩前へ踏み出す度に、月奈の顔に恐怖が滲んで見えた。


そうだ。


もっと怯えろ。


俺に怯えてあの日にあった事なんて忘れちまえ。


俺がまた一歩踏み出した時、月奈が足を絡ませて転倒してしまった。


すかさず馬乗りになる俺。


この至近距離でカッターナイフをちらつかせれば、いくら月奈でも首を縦にふるだろう。


俺は白くて細い月奈の首筋にカッターの刃を押し当てた。


「高嶋! やめろよ!」


良が叫ぶ。
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