懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
くそっくそっくそっ!


俺はカッターナイフを握る手にグッと力を込めた。


震えるな、俺。


このままじゃ月奈の思うツボだ。


「本気で殺すぞ」


声を低くし、グッと月奈に顔を寄せてそう言う。


「やってみなよ、できないくせに。弱いから刃物を持っているんでしょう? 弱いから力づくで解決しようとしているんでしょう?」


「うるさいな!!」


なんでなんだ?


なんでこの女は動じない?


それどころか俺の震えは増すばかりだ。


月奈の言う通り、俺は弱い。


弱いから力で相手をねじ伏せる。


そうやって相手を服従させておけば、自分が強くなった気でいられるから。


だけど本当は違う。
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