懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
教室の1つ1つを確認して鍵を閉めて行く音が聞こえてくる。


大丈夫、大丈夫だ。


息を殺し自分にそう言い聞かせる。


床の血痕はすべて拭き取った。


よく見ればまた残っているかもしれないが、肉眼ではわからないハズだ。


カッターナイフも、ちゃんと持っている。


きっとバレない。


大丈夫だ。


祈るような気持ちで足音が遠ざかって行くのを聞いていた。


そして、数分後。


足音がこの階から更に上へと登って行くのが聞こえて来た。


「行った……」


ホッとして思わず大きく息を吐き出す。


良がようやく口をふさいでいた両手を離した。
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