懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
だから食材を間違えたワケではない。


「もしかしたら、ここは嵐のために作られた建物かもしれないな」


「嵐のために?」


百合が不安そうな表情をして聞き返す。


「あぁ。嵐は必ずここで死ぬ運命だったのかもしれない。そんな気がする」


その考えが正しいのか間違えてるのか、今はまだわからない。


でも、月奈を殺したという大罪を隠ぺいした嵐を、ここを作った人間は生かしておくつもりはなかったんじゃないか。


鍵が開いたのに死んでしまった嵐を見ていると、そんな気になってくる。


「ここにいても仕方がない。次の部屋へ行こう」


俺はそう言いドアノブに手をかけた。


次のキッチンは誰の部屋のキッチンなのか……。


俺は軽く力を込めてそのドアを開いたのだった。
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