懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
百合がこんなものを背負っているなんて、今まで気がつかなかった。


「ごめん……百合……」


「ううん。もう終わった事だって言ったでしょう? それが、こんな場所でまたぶり返されるなんて……」


百合はそう呟き、ブラウスを整えた。


「とにかく、今までと同じようにキッチンの中を探してみよう」


俺は気を取り直すようにそう言い、立ち上がった。


その時、どこからかボコボコと微かに音が聞こえてくることに気が付いた。


「なんの音だ?」


そう呟いて首を傾げたとき、コンロの一番近くに座っていた春姫がクルッと後ろを振り向いた。


それにつられて、視線がコンロへと向かう。


コンロには大きな鍋が1つ置かれていて、よく見ればコンロに火がついている。


「これか」


俺は真っ直ぐコンロへと近づいた。


鍋蓋を持ち上げると、そこには水がなみなみと入っていて、ボコボコと音を立てて沸騰していた。


「これを使うってことだよな。こんな大量のお湯、どうするんだろうな」
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