懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
最後に入ってきた彗が部屋の中の見回し、そして眉を寄せたのだ。


「え、なんで……?」


彗が小さく呟いたのを、俺は聞きのがさなかった。


「なんでって、何が?」


首を傾げてそう聞く。


「だってここ……あたしの部屋のキッチンだよ」


「へ……?」


その言葉に、全員の視線が彗へと向かう。


「なんそれ、どういう事?」


春姫が聞く。


「あたし、4月からは県外の大学へ行くから1人暮らしをするでしょう?


その部屋のキッチンが、こんな感じなの。こんな感じというか……キッチンをまるまるここへ移動させてきた感じ。そっくりそのままよ」
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