懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
経済力のある家に育ちながら、悠はとても大人しい生徒だった。


一見するといじめられやすそうなタイプにも見える。


そんな悠と友達になる事を決めたのは嵐だった。


クラスに1人でいる悠をかわいそうだと思ったワケじゃない。


悠の持っている金目当てだった。


俺は最初、悠と仲良くなったからと言ってこちらにおこぼれが入るなんて思ってもいなかった。


嵐の作戦はきっと失敗するだろう。


そう思っていた。


けれど、悠は俺たちのグループに入るや否や、すぐに金を出し始めたのだ。


俺たちが強要したわけじゃない。


まるで、何かをプレゼントすることが友達の証だというように、悠は毎日学校に俺たちが喜ぶようなものを持ってきた。
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