懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
「でも大丈夫だ。死ぬようなものじゃなかったみたいだし、止血もした」


俺が嵐を落着かせるように言う。


嵐は自分の額に手をあて、すでに固まってきている血を確認した。


「そうか……これ、お前の服? 悪い、破いたんだな」


「あぁ、別にいいよ。嵐みたいに全身ブランドでキメてるわけじゃないしな」


俺はそう言い、笑った。


嵐もその言葉に表情を緩めた。


「食べたけど……」


後方から悠のそんな声が聞こえて来て、俺は振り向いた。


見てみると皿の上は空になっている。


「これで部屋の鍵は開くんだよな?」


誰ともなくそう聞きながら、俺は嵐が壊そうとしたドアに手をかけた。
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