懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
それは時々痛々しく感じられたけれど、誕生日に高級腕時計を貰った時俺は、悠と友達でよかったと思っていた。


嵐の言葉にそっぽを向きながらも、俺は自分の事を恥ずかしいと感じていた。


悠の好意に甘えてばかりな自分は、悠を利用している嵐と大して変わらない。


今回の卒業旅行だって悠の提案だったから参加したのだ。


悠の家なら、普通には経験できないような事を経験させてくれるかもしれないと思ったから。


結果は想像した通りだった。


沖縄でクルージングなんて、生まれて初めての経験だ。


「今日はあのホテルに泊まれるっていうし、最高だろ!」


嵐がそう言い、俺は浜辺の向こうに見えている大きなホテルに視線をやった。


50階建ての真っ白なホテルは沖縄で一番人気の高い有名ホテルだ。


このホテルの最上階を予約していると悠は言っていた。


もちろん、すべて悠の家がお金を出してくれている。
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