懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
何かを言おうとした良が再びえずき始める。


「吐かないで! 飲みこんで!」


それを見た彗が、水道の蛇口をひねった。


良がそれに飛びつくようにして、蛇口に口を付ける。


ゴクッゴクッと、大量の水を胃の中に流し込んで行く良。


「飲みこんだ?」


彗が聞くと、良はようやく体をシンクから離しその場に座り込んだ。


何度かえずきながらも、口の中にはもう目玉は残っていないようだった。


耳をふさいでいた百合と春姫が、その光景を見てホッと息を吐きだした。


「これでドアが開くのか?」


嵐がすぐに立ち上がり、ドアノブに手をかける。


しかし……。


「開かない……」


嵐の呟くような一言に、全員が凍りついた。
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