懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
「目玉焼きって、他に意味はないよね?」


百合が考え込む仕草でそう言った。


目玉焼きの、他の意味……。


卵でもない。


人間の目でもない。


「ないよ、そんなの」


春姫が左右に首を振ってそう言った。


「あたしもちょっと考えたけれど、この部屋の中にある目玉焼きって、他にはもうないと思う」


「確かに、そうだよな」


俺も春姫の意見に賛成だった。


部屋の中には目玉と呼べるものはもうなにもない。


そして、再び沈黙が訪れた時だった。


ジジッと、あの音がしたのだ。
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