懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
《目玉はもう1つあります。もう1つを食べればドアは開きます》


声はそれだけ言うと、プツンッと途絶えた。


「目玉はもう1つ?」


俺はそう呟き、彗を見た。


彗はすでにそれがなんの意味なのか理解しているようで、その顔は絶望に満ちていた。


「あたしの……目……?」


彗が呟き、残っている左目で瞬きを繰り返した。


春姫も百合も、彗を見た。


目玉焼きはもう1つ。


彗の……左目。


突然、嵐が椅子を蹴って立ち上がった。


そして大股で彗に近づく。


「なに?」


彗が驚いてそう聞くより早く、嵐が何かを彗に向かって降りおろした。
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