なつめくんの束縛
「ムカつく...。」
そう言いながら一歩一歩私に近づく棗君。
「ぁ.........」
ズッと後退りをすればすぐに私の背中には棚が当たる。
あっという間に私の前には棗君がいて...
「覚えてる?
ゆっちゃんはあの日から俺のってこと」
突然そんなことを言ってきた。
あの日って初めて話したとき...?
「そのくせに...
他の男と普通にどっか行っちゃうんだ?」
棗君はいつもそんなに口数が多い訳じゃない。
けど今日はいつもよりすごく喋ってる...
だから尚更怒っているのが伝わってくるのかもしれない...。
「キスとかしちゃったわけ?」
フッ笑った棗君は口元だけしか笑っていなかった。