なつめくんの束縛
「…佐倉田さん、原谷が言ったことは気にしない方がいいよ」
ねっ?と優しく言ってくれる武藤君の顔はごめんと言うような顔だった。
「あ…大丈夫だから…きにしないで…」
思いっきり作り笑いを武藤君に向けてしまったけど、武藤君はそこにはなにも言わないでくれた。
「…お弁当……食べようか」
棗君は武藤君が嫌いなのかな…。
前に武藤君とぶつかった時も、棗君が風邪引いた時もそうだった…
…でもただの私の思い込みで私が嫌いなのかも……。
その後私はボーッとしていてそれから武藤君となにを話したのかも、午後の授業も全く耳に入ることはなかった。