なつめくんの束縛





カタッ...





私は立ち上がって席から離れる。




一瞬棗君がこっちを見たような気がしたけどすぐに背を向けた私はわからない。




こんな所いたくない...





1限目はサボろう......。




そう思って教室を出ようとした時誰かに腕を掴まれた。





「佐倉田さん...?」





私の腕を掴んだのは武藤君だった。





ジッと私を心配そうな顔で見る武藤君。




「どこいくの...?」





「...屋上......」





武藤君は何かをわかっている様子で...



武藤君も立ち上がった。





「俺も付いていこうかな」





フワッと柔らかい笑顔を向けられて私は武藤君に引っ張られる形で教室を後にする。








棗君がチラッとこっちを見たことも知らずに...










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